NHK朝ドラの「ばけばけ」が始まりました。小泉八雲の話だそうです。彼の「心」という作品で、ある殺人者が護送されてくるのを一目見ようとする群集の中で、護送してきた警部が、殺された警官の妻と子供を群集の前に出し、子供に「これがお父さんを殺した犯人だ、しっかり見なさい」というと子供は泣く泣く犯人を見つめたのですが、その子供の目を見た犯人は突如下座して「恨みや憎みは少しも無かった、殺すつもりは無かった。怖くて逃げた。これから罪を償うので許して欲しい」、やがて群集から啜り泣きが聞こえ、警部の目にも涙があった。
つもりはなくてもせざるを得ない世の中、そんな苦しみを共有する日本人の心に八雲も心打たれたのでした。皆様の心正しい毎日を祈念致します。<宮司>
神無月(かんなづき)
神無(かんな)月は旧暦の十月を指す言葉です。この月は全国の神々が出雲大社に集まる為、他では神様が不在となり「神無月」と呼ばれますが、出雲では「神在(かがみあり)月」と呼ばれ、神々が出雲に集まる神事が行われます。この特別な月は、日本の文化や信仰に深く根付いて、古来より様々な祭りや儀式が行われてきました。新穀でお酒を醸す(かもす)月という意味で「醸成(かみなし)月)」と呼ばれることもあり、古代の農業や収穫の行事とも密接に関連しています。神無月の期間、出雲大社では全国の神々が集まる「神在(かみあり)祭」が行われます。この祭りでは神々が会議を開き、人々の縁結びや幸せに関する議題が話し合われます。特に、神迎(かみむかえ)祭や神等去出(からさで)祭等の神々を迎え入れ、送り出す儀式が執り行われます。神迎祭は旧暦十月十日の夜、稲佐の浜で行われ、全国から集まる神々を迎えます。この神事は、全国からの参拝者も見学することができます。神在祭は旧暦十月十一日から十七日まで、神去出祭は、旧暦十月十八日に行われます。神無月が古代からの農業や自然に深く関わっていることを示しています。この期間、地元の人々は神々の会議のさまたげとならないよう静かに過ごします。また、全国から特別なご利益が得られると信じられており、出雲大社に参拝する人々も多く訪れます。この期間には、各地の神社でも特別な祭りや行事が行われます。これらの神事は古くからの伝統を受け継ぎ、人々の幸せや縁結びを願う重要な行事です。